【絵本】ふわもこねこ 「 ぼくはひつじだよ 」

 

 
 
それから すうじつごのこと、おじさんが、むずかしそうな かおをして、でんわをしています。
 
からだも こえも なんだか つかれているようです。
 

 
 


 
 
 
 

メーくんは、おじさんのちかくで のんびり ねていましたが、さすがに いつもとちがう おじさんの ようすに きがつきました。
 
おじさんの かいわ からは、「メー」という ことばが なんども でてきます。
 
 
 
メーくんは、ドキドキ してきました。
 
 
じぶんは ねてばかりの やくたたずな ひつじで、ついに おいだされてしまうのでは ないかと こわくなってきました。
 
 
おじさんのでんわのあいては、おじさんの むすめさんでした。
 
 
むすめさんは、とうきょうにいて、だんなさんと ふたりで くらしています。
 
メーくんは、むすめさんのおうちに つれていかれるような きが してきました。
 
おじさんのくち からも、「たのむ」、「いっかげつだけ」という ことばが、きこえてきます。
 
 
せつじつに たのみこむ おじさんをみて、メーくんは かなしくて なみだが でてきました。
 
 

 


 
 
 

 
ところが、きゅうに おじさんの こえが あかるくなりました。
 
 
さっきの ぐったりしたようすは どこかへふきとんで、かるく ジャンプするくらいに よろこんでいます。
 
 
おじさんは、そばにいたメーくんをだきあげ、「よかった よかった」といっています。
 

 
 
 


 
 
 

 
メーくんは、なにがおきたのか、なにがいいのか よくわかりません。
 
 
でんわをおえた おじさんは、メーくんに こう いいました。
 
 
「メーと、ずっと いっしょにいられるよ」
 
 
 
おじさんは、こんかいの じけんの ことを、むすめさんに そうだん していました。
 
すると、むすめさんは、いっそのこと かんこうぼくじょうにして、 おきゃくさんにも たのしんでもらったら?… と、いいました。
 
さらに、むすめさんふうふも このぼくじょうを てつだうために、とうきょうから こちらへ きてくれる ことに なったのです。
 
 
でも、おじさんは よくかんがえてみました。
 
いままで、ひつじたちは たいせつな かぞくとして そだてながら、 ともに せいかつして きました。
 
それだけで じゅうぶんと おもっていたのですが、むすめさんが きてくれることを たいへんよろこび、 すっかり そのきに なってしまいましたが、たいせつな かぞくたちを みせものにして よいのだろうかと・・・。
 
 
 
 

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